現地レポート

現地レポートでは、カナダ、ブリティッシュ・コロンビア州(BC州)からのリアルタイムなレポートをお伝えします。現地での体験談や、BC州を知り尽くした日本人移住者のレポートなど、BC州のトレンドをいち早くキャッチでき、旅の参考にもしていただけます。皆さんのコメント投稿も受け付けていますので、ぜひチェックしてください!

ブリティッシュ・コロンビア州の自然と先住民文化 1.冬のバンクーバーの魅力 バードウォッチング

2014/12/17

ブリティッシュ・コロンビア州の自然と先住民文化 ブリティッシュ・コロンビア州(BC州)は豊かな自然に恵まれています。カナダ全土で196種いる哺乳類の中の143種が、また578種いる鳥類の中の 454種がBC州で観察されています。われわれが住むこの州はなぜこんなに豊かな自然に恵まれているのでしょうか?

その秘密は複雑な地形が作り上げている多様な気候帯にあります。力(地球のプレート運動)、火(火山活動)、氷(氷河による浸食作用)によって形成 された地形が、暖かい海から氷河におおわれた高山まで、沿岸部の温帯降雨林から内陸部の半砂漠までの変化に富んだ気候を作りあげています。


BC州に豊かな自然が残されたのはそれだけが理由ではありません。先住民が自分達の衣食住に必要とする最小限のものしか採取しないという哲学を持ち続けたことが、恵まれた漁業・森林資源を我々に残してくれたのです。

私のブログでは、今回から4回の連載で、ブリティッシュ・コロンビア州の自然の豊かさの秘密から先住民の文化にまで話を広げてご紹介したいと思います。

第一回

<冬のバンクーバーの魅力、バードウォッチング>


バ ンクーバー近郊は、アラスカやカナダのツンドラ、北方樹林帯、BC州内陸部で繁殖する鳥たちの越冬地になっています。これはシギ・チドリ類のエサが豊富な フレーザー河の河口の干潟が真冬でもめったに凍らないこと、農地・草地・沿岸に小鳥やガン・カモ類のエサになるものが冬でも豊富にあることがその理由で す。


冬にはこれらの鳥を狩猟する猛禽(ワシ・タカ・フクロウ)類も数多く見られます。バンクーバーは春と秋の渡りのシーズンと冬が鳥を見るには一番良い時期なのです。

コミミズク

日本のバードウォッチャーに人気のあるフクロウは運が良いと一日で、メンフクロウ、コミミズク、トラフズク、アメリカワシミミズク、アメリカフクロウ、アメリカキンメフクロウの6種類も見ることが出来ます。

アメリカワシミミズクのヒナ


左、右写真ともアメリカフクロウ



アメリカキンメフクロウ

毎年ではありませんがバンクーバー南郊サウスデルタのバウンダリーベイにはシロフクロウ(ハリーポッターの映画で一躍有名になった)も越冬にやって きます。シロフクロウは繁殖も越冬もツンドラなのですが、孵ったヒナが全て育つほどエサが豊富な年(レミングの大増殖によって)は冬になってエサにありつ けない個体が多数南下してきます。彼らにとって一番近くでエサが豊富な場所がバンクーバー近郊なのです。当たり年には50羽近くのシロフクロウをバンクー バーのダウンタウンから一時間足らずのところで見ることができます。年によってはこの他にもカラフトフクロウ、ロッキースズメフクロウ、オナガフクロウ、 キンメフクロウなどが訪れることもあります。

 

左、右写真ともシロフクロウ



流木の上のシロフクロウ

太平洋を隔てて日本の対岸にあるバンクーバーには日本で見られる鳥の同種・近縁種も多いのですが面白い傾向があります。それは日本でたくさんいる鳥がここでは珍しく、日本では記録があるだけ、もしくはなかなか見られない鳥がここではどこでも見られる普通種であることです。

日本では珍しい鳥でこちらでは普通種のものは、ハクガン(数万羽で飛来)、カナダガン(年中どこでも見られる)と、ヒメハジロ、アラナミキンクロ、キタホ オジロガモ(この3種はスタンレーパークのシーウォール=外周の海で普通に見られる)、アメリカヒドリ、アメリカコガモ、クビワキンクロなどのカモ類で す。

ウエストハム・アイランドにあるライフェルバードサンクチュアリーではたくさんの種類のカモと小鳥類、行き帰りの道路際ではハクトウワシ、畑では大 きな群れのハクガンやナキハクチョウなどを見ることが出来ます。ここには週末になると地元の家族連れが鳥のエサやりにやってきます。秋から春にかけて (11月から3月)バンクーバーに滞在する機会があれば、一度訪れてみませんか? バードウォッチングの経験がなくても双眼鏡を持っていなくても楽しめる ところです。


参考:ライフェルバードサンクチュアリー
http://www.reifelbirdsanctuary.com/index.html(英語)
http://www.reifelbirdsanctuary.com/jap.pdf(日本語PDF)

<ライフェルバードサンクチャリーの行き方とマップ>
公共交通機関だけでは行きにくい場所にある。ダウンタウンからスカイトレインのカナダラインで、リッチモンドのブリッジポートまで行き、601番のバスに乗り換えてラドナー・エクスチェンジ下車。そこからタクシー。
車で行く場合は上記の日本語PDFを参照。
http://www.reifelbirdsanctuary.com/visitor.html

川端雅章 Masaaki Kawabata
岡山県出身 関西学院大学卒業後、日本の旅行会社勤務を経て1981年からバンクーバー在住。
得意とする分野はバードウォッチングなどの自然観察や先住民文化を訪ねる旅。