カナダ産のワインは生産量が限られているため日本ではまだ広くは出回っていませんが、日照時間が長く乾燥している気候と、地形と地質の条件が揃うBC州で育つぶどうから生産されるワインは独特の味わいがあり、国際的に有名な賞を数多く受賞しています。世界中のワイン愛好家の心をつかみ、ワインを楽しむためにこの地を訪れる観光客も年々増えています。
◎VQA(VINTNERS QUALITY ALLIANCE)
BC州では、VQA(Vintners Quality Alliance)という言葉を耳にすることがあります。これは、フランスのAOCやイタリアのDOCのように、カナダ産高級ワインを表示するシンボルです。この組織による認証は、厳しい品質基準に従って製造された最高級ワインであるということを証明します。また、VQAのワインは、すべての材料がBC州のもcのを使った、純正BCワインと言えます。もちろんVQAプログラムに不参加の小規模ワイナリーもありますが、品質の劣ったワインを製造しているというわけではないので、多くのワインに挑戦して、ご自分の感覚でお気に入りのワインを見つけてください。
◎アイスワイン
アメリカ大陸の中で、最も北のワイン生産地であるBC州では、アイスワインが生産されています。アイスワインとは、氷結したぶどうから作られる糖度の高いデザートワイン。通常のワインの場合、ぶどうの収穫は9月から10月にかけて行われますが、アイスワインの場合は、気温がマイナス10度以下に達する12月から1月にかけて行われ、凍ったぶどうを一つ一つ丁寧に手で収穫します。収穫はいつも気温の低い夜から朝方にかけて。凍ったぶどうからは通常のぶどうの8分の1程度の果汁しか搾ることができません。通常のワインの約8倍のぶどうが必要となること、ぶどうを収穫せず樹に房をつけたまま冬の到来を待つため、鳥類や昆虫の被害にあいやすいこと、作業は真冬の極寒の早朝に全て手作業で行い大変過酷な労働であることより、希少性の高いワインとされています。
BC州のワイン生産エリア
BC州では主に3つのエリアにまたがった5つの地区に200を超えるワイナリーが点在し、60種ものぶどうを栽培しながら、伝統的なワインからユニークなものまで様々なワインを生産しています。大規模な施設で大量のワインを作る生産者から、工場で直売する小規模の家族経営ワイナリーまで、タイプはさまざま。ほとんどのワイナリーで、年間を通じて見学ツアーやテイスティング、ワイン販売を行っていますが、最盛期は一般的に4~10月。オフシーズンに訪問する場合は、事前に電話などで確認することをおすすめします。グルメレストランやカジュアルなビストロを併設しているワイナリーも多くあるので、ワインとともに美味しいお料理を楽しみましょう!
バンクーバー・アイランド(Vancouver Island)
このエリアは、爽やかな白ワインと甘美なフルーツワインが有名です。また、ハチミツを発酵させて造った珍しいハニー・ワインを醸造するハニー・ワイナリーがあるのは、この地域だけ。バンクーバー・アイランドのワイナリーは小規模で家族経営が多く、少量ながら高品質のワインを生産していることが自慢です。
バンクーバーアイランドのワイナリーの詳細はこちら
トンプソン・オカナガン(Thompson Okanagan)
細長く続くオカナガン湖を眺めるように広がるBC州の主要なワイン産地であるオカナガン・バレー。半砂漠のなだらかな斜面は、日照時間の長さや土壌の豊かさに恵まれ、ワイン作りには絶好の環境となっています。一帯には160以上のワイナリーが点在し、それぞれに個性豊かなワインを提供しています。
トンプソン・オカナガンのワイナリー詳細はこちら
バンクーバー、コースト&マウンテンズ(Vancouver, Coast & Mountains)
バンクーバーのダウンタウンより車で東へ1時間ほどのフレーザー・バレ-では、まだ少量ですが、素晴らしいワインを醸造しています。このエリアは秋から春にかけて降水量が多い一方、夏は非常に乾燥するのが特徴で、それに加え年間を通じて温暖な気候が、ぶどうを早熟させます。広大で肥沃な約28haの地域に、10あまりのワイナリーがあります。
バンクーバー、コースト&マウンテンズのワイナリーの詳細はこちら